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2012年3月16日金曜日

福島県伊達市小学校でのボランティア公演とワークショップ-佐藤道代


2月20日、21日に行った、福島伊達市 石田小学校、大石小学校でのボランティア公演とワークショップは、踊っている私たちが元気づけられるような、大変楽しいものになりました。


<プログラム紹介>
1月13日の新浦安「愛・イサドラ・ダンカン・ダンス」で観客と一体になって作った命のエネルギー=愛を、福島に届けようと、イサドラ・ダンカン国際学校メンバー、佐藤道代、友希、島浩子で、ミニ・コンサートをしました。特に、福島の大地を想って創作した「大地の詩」では、途中から、子どもたちが踊りに参加!耕した大地に水をやり、伸びる種を元気いっぱい踊ってくれました。
後半のワークワークショップでは、「いのちの故郷、福島はここに今もあること、そしてそこに生きる自分自身を大切にしよう。」というメッセージを、ダンカン・ダンスの基本である、ユニバーサル・ムーブメントを踊る中で、皆で呼吸と共に感じました。後半は、福島伊達市にある霊山の風、山、祓川や石田川の清らかな水、きらめく太陽の光の力を表現してもらい、福島の大地から伸びる種=子どもたちを、元気いっぱい踊ってくれました。

元々、自然の万物を踊ることを通して、子ども達の中にある、いのちの総合的力、多元的な能力を育てたいと思ったイサドラ・ダンカン。自分のダンス学校を、「School of Life:いのちの学校」と呼んでいました。現在アメリカの教育界では、ハーバード大教育学博士のハワード・ガードナーが、MI理論(多元的知能理論)の中で、「言語的知能」「言語」「論理数学的知能」、「音楽的知能」「身体運動的知能」「空間的知能」「対人的知能」「内省的知能」「自然的知能」など、子どもの多元的な力を伸ばす教育をアートで行うことを提案していますが、この多元的知性の力、石田小、大石小の子供達は、大変高いと感じました。

自然の四大元素に溢れる福島の豊かな土地で育った子供達には、踊る時に余計な説明の必要はありませんでした。いつも見慣れている、山、川、太陽、そして風の事を思い出してもらうだけで良かったのです。この子どもたちの本来持っている、自然とつながる知性は、長年、子どもたちの内面に培われてきた力だと感じました。これは、原発事故があろうとなかろうと関係ありません。このように育っている福島の子供達の内面の命の力の強さに、福島の明るい未来を確信しました。

その力が原発事故で委縮してしまわないように、引き続き育ち続けるように、ダンスでお手伝いがしたいと強く思いました。

<校長先生のご感想>
「子どもたちのあんな笑顔を見る機会は今まで多くありませんでした。心と身体が解放されている時間をありがとうございます。」「この子供達が将来的に重荷を負ってしまったのは事実だが、これを機会に、世界に目を向けて、自立して生きていけるように、色々な人や職業に触れ、沢山の機会を与えたい。今度は、カリキュラムの中に組み込めるように、是非ご協力下さい。」という言葉を、石田小学校の村田校長先生から頂きました。

大石小学校の佐藤先生は、「うちの子たちは引っ込み思案かと思っていたのに、あんなに踊ってびっくりです。引き出して下さってありがとうございます。」「控え目で、表現する場が余り無かった子どもたちだが、これからは、復興に向けての子供達の意欲を外に向けて伝えられるような場を創りたいので、又協力して下さい。」との声を頂きました。


<福島の小学校の生活>
石田小学校では、「ひきな炒り」という大根とにんじんを甘辛く煮た、福島特有のおかずを含むおいしい給食も頂きました。内部被ばくを避けるために、材料は全て検査して調理していました。地元産の農産物も全て全戸数検査を始めていて、放射線量は市場に出る前にチェックしているので、福島産は安心だなと感じました。

校庭には、線量計があり、リアルタイムで文科省に報告しています。大石小学校は、最初から放射線量は低めで、現在も0.1程なので、校庭での活動も再開していました。
石田小学校は、校長室の裏側に線量計があり、校長先生が窓からいつも眺めてチェック出来ています。0.28で村田校長先生は、「今日は高いです。」とおっしゃっていました。それでも、野外活動は一日一時間に限り、スクールバスで送り迎えをするなど、年間の被ばく量が1ミリシーベルトを超えないように、大人がとても気をつけていました。このような「福島の子どもを守る」という姿勢と努力があるからこそ、子どもたちが、すくすくと育っているんだな、と感じました。

両学校とも、とても文化的な雰囲気で、給食室やステンドグラスのある校舎に、29名の子供達が学ぶ石田小学校では絵画や図工、短歌の作品が美しく並んでいました。霊山の山の麓に36名が学ぶ大石小学校では、天蚕という幻の蚕を飼育して子どもたちが創ったオブジェが可愛かったです。

葛西にある福島のアンテナショップで、職業体験として物産を売った時に、プレゼントしたら、飛ぶように物産が売れたとの事でした。

どちらも地域の方と共に子供達を育てて行こうという意欲に溢れていて、アメリカにあるチャータースクールや、日本の大都市にある地域参加型の私立校と同じような感覚でした。学校は「集いの場」なんだなと改めて思いました。イサドラ・ダンカン国際学校も、そのような共に育てる集いの場にしていきたいなと思いました。

1月13日の「愛・イサドラ・ダンカン・ダンス」で集まった義援金61,000円にイサドラ・ダンカン国際学校やフィオリータからの寄付金を足したお金を、それぞれの学校に寄付しましたら、「子供達のために使わせて頂きます。」とても喜んでくれました。又、子供達には一輪ずつバラをプレゼントし、皆、笑顔で受け取ってくれました。是非、又福島に行って、元気な子どもたちと踊りたいと思います。


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